お知らせ

岐阜新聞真学塾 看護学部⑰ 早川真奈美

感染対策は一人一人の心がけから

岐阜聖徳学園大学看護学部専任講師 早川真奈美

 人々の健康や日常生活に多大な影響を及ぼす、新型コロナウイルス感染症が出現して2年弱となります。感染者数が減少し、規制が緩和しつつある中で、海外では、ワクチン接種者が罹患するブレイクスルー感染の急増、新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が相次いでおり、我が国でも第6波に備えた対策が急務となっています。

 特にこれからの時期は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行にも備える必要があります。自分は健康だという過信は禁物で、感染予防策として、ワクチン接種や、マスク、手洗い、消毒、換気は重要です。ただし、大雨時に傘、雨靴、合羽で完全防備したつもりでも、一滴も雨で濡れないのは難しいように、ウイルスが付着し、感染する可能性はゼロではないのです。

 スポーツ界で、よく剣術の達人である松浦静山の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉が引用されます。この言葉を「やむなく個人が感染した際に、周囲の人も感染するのは原因がある」と置き換え、なぜ周囲の人まで感染したのか分析し、三密回避に加えて、一人一人が対策をとることが重要です。

 まず、手洗いについて、以前、高校生に日頃の手洗いをして頂きましたが、10秒程度で終了し、親指、爪と指の境目、指間、指関節の皺の部分に洗い残しがありました。液体石けんを使用し、上記の洗い残しの部位を意識して、15秒程度のもみ洗い後、15秒程度かけて(ハッピーバースディの歌が15秒。心の中で2回!)洗い流して頂ければと思います。

 また、公共のトイレで、ハンドドライヤーが使えず、濡れた手で髪を整えている光景を見かけます。外出時は清潔な手拭きの備えが必要です。

 次にマスクについて、マスクなしでの会話を控えるのは勿論のこと、装着時には、不織布タイプのマスクを鼻、顎の下に隙間なくフィットさせることが推奨されています。また、マスクの外側に触れた際には、ウイルスが手に付着している可能性があり、手洗いやアルコール手指消毒が必要です。

 一人一人が感染対策を意識して、自分と周囲の大切な人々も守れるように行動していただければ幸いです。(2021年12月5日岐阜新聞掲載)