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生徒それぞれに岩石教材セットを使った理科授業へ向けて 教育学部川上紳一教授が活動を続ける
教育学部理科専修の川上紳一教授は、生徒それぞれに岩石教材セットを使って小中学校の理科授業改善に結びつけようという活動を続けている。3月15日の毎日新聞朝刊岐阜版に掲載された記事では、教材作成の意図や採集の様子、教材セットの中身について紹介されている。
それぞれの岩石は、児童・生徒にとってわかりやすいものが好ましいので、東京都の伊豆大島や岡山県などへも出向いて集めている。岐阜県内外の河原や海岸で集めた火成岩や堆積岩を整し、段ボールで作った専用の化粧箱に入れたものを40セットずつ作り、岐阜県内の教育委員会に寄贈している。
2022年6月に関市教育委員会に寄贈したあと、今年2月以降には、大垣市教育委員会、海津市教育委員会に寄贈した。3月22日には、大垣市長から礼状をいただき、さらに、3月27日は高山市役所を訪問して、火成岩セットを寄贈し、中野谷康司教育長からは感謝状を受けている。
火成岩セットを高山市役所に寄贈
すでに多くの中学校で授業に使われており、学習後のアンケート調査で、岩石に関する理解が深まったこと、興味関心が高まったことや、学習意欲が向上したなどの効果が明らかになっている。川上教授は、今後も教材作成を継続して市町村教育委員会に届ける予定で、「多くの児童・生徒に実際に石に触れて、ほんとうの学びを体験してほしい」と語っている。
こうした活動による新たな理科教育のあり方かを明らかにする研究課題で、令和4年度の岐阜聖徳学園大学研究助成金による支援を受けている。研究の進展が学校現場への普及へとつながった背景には、コアサイエンスティーチャー養成事業や、岐阜県総合教育センターの理科教育講座などを通じて、これまでの小中学校の教員と培ってきたネットワークづくりが生かされている。