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岐阜市内でアミガサハゴロモに似た外来種みつかる

岐阜市内で、東南アジアや中国大陸に分布するハゴロモ科の成虫(外来種)を本学教育学部の川上紳一教授が発見し、写真撮影した(写真1)。

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写真1

ハゴロモ科の昆虫はカメムシ目に属し、頭部はセミのようであるが、翅は三角形で特徴的な姿をしている。アミガサハゴロモは黄緑色の粉をつけ、灰緑色の翅をもつが、発見されたハゴロモ科成虫は赤鉄色の翅であり、これまでに見たことがなかった。調べるとこの成虫は、ポチャジア・シャントゥンゲンシス(Pochazia shantungensis)あるいは、リカニア・サブリマータ(Ricania sublimata)という学名で、近年国内で確認されるようになっている。川上教授は、18日にも同じ場所を調査し、ツバキの茎や葉にいる幼虫も多数確認した(写真2)。幼虫は腹部に白い羽衣状の蝋物質をつけている。

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写真2

この外来種は、朝鮮半島にも近年になって侵入して生息域を拡大しており、リンゴやブルーベリーなどの果樹の害虫として対策がとられるようになっている。国内でも急速に増殖しているようで、今後害虫被害が発生しないか注意が必要のようであると考えられる。

川上教授は、ネット上の理科教材である「理科教材データベース」の構築を20年以上にわたって継続しており、昆虫図鑑や植物図鑑の充実のために、日常的にデジタルカメラを携えて岐阜市周辺の里山で生物調査を行っており、今年も新種の可能性の高い陸生ホタル成虫や、国内3例目となるチャイロハチモドキハナアブの写真を撮影している。
川上教授によると、身近なところで気づかないうちに、生態系の変化が進んでいるという。