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岐阜新聞 真学塾 看護学部⑤ 平野昭彦
清潔ケアがもたらす効果と気づき
岐阜聖徳学園大学看護学部教授 平野昭彦
看護は病気になった患者さんの生活行動を援助し、健康を支援する仕事です。病気で入院した時、病気の状態によっては入浴をできない場合がしばしばあります。その時、看護師はお湯につけて絞ったタオルを用いて体を拭く清拭という清潔ケアをします。
日本人はお風呂好きといわれています。清潔にするだけであればタオルで体を拭けばそれでよいのですが、体を温めて気持ちが良くなってもらうようにとタオルを広げ背中に当てて蒸すようにしてから体を拭くことが多い。この時に、お風呂には入れないけれどもお風呂に入った時と同じような気分になれるようになってほしいと考え、保温が持続できるようにタオル3~4枚を2つに折り重ねて背中に当てて、その上をバスタオルで覆う熱布清拭をすることがあります。
清拭で体を拭くことで、患者さんから「ああ、気持ちいい。さっぱりとした」という言葉が聞かれます。その後には「今日も頑張ろう」など活力が高まったとの言葉が続くことがあります。清潔にするという行為についてナイチンゲールは、「皮膚をていねいに洗ってもらい、すっかり拭ってもらったあとの病人が、解放感と安らぎとに満たされている様子は、病床ではよく見かける日常の光景である」といい、「その解放感や安らぎは、生命力を圧迫していた何ものかが取り除かれて、生命力が解き放された、まさにその徴候のひとつなのである」と述べています。
ある看護師が患者さんに熱布清拭をしました。しばらくして、患者さんにおなら(排ガスといいます)があったということです。この話を聞いた看護研究者が、排ガスがあったのは本当に熱布清拭による効果だったのか、温罨法と排便・排ガスの効果について検証する研究が始まりました。そして研究によって、熱布清拭の温熱刺激により腸が動いて排ガス、排便に効果があることが確認されました。排便・排ガスを促す腰背部温罨法として位置付けられています。
清潔ケアから発展して腰背部温罨法が生まれました。便秘となった時、下剤、浣腸に頼るのではなく、生活の援助の中で排泄を改善する支援もできるのです。漫然とケアをするのではなく、日常ケアの中での患者さんを観察し気づくことの大切さを教えてくれます。(2021年9月19日岐阜新聞掲載)
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