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岐阜新聞 真学塾 外国語学部⑭ 四戸慶介
大人になること――『約束のネバーランド』とイギリスの文学
岐阜聖徳学園大学外国語学部専任講師 四戸慶介
鬼退治の物語と並んで人気を博す、鬼から逃げる物語『約束のネバーランド』(以下、『約ネバ』)をご存じの方は多いのではないでしょうか。そしてこの作品タイトルに含まれる「ネバーランド」という言葉で、あのピーター・パンが住む世界を連想する方も少なくはないと思います。ピーターの「ネバーランド」が登場する物語は、1904年にイギリスで戯曲として世に出て、その後1911年に小説『ピーター・パンとウェンディ』というタイトルで出版されました(以下、『ピーター・パン』)。ここでは「ネバーランド」という言葉で繋がるこの2つの作品を通して、「子どものままでいること/大人になること」について少しだけ考えてみましょう。
『約ネバ』は、子どもたちが大人になる前に鬼の食糧として収穫されてしまう、子どもたちが大人になれない恐ろしい世界を描きます。一方の『ピーター・パン』は、子どものままでいられる冒険に満ちた夢の世界を描いています。この2つは一見すると対照的ですが、永遠に子どものまま限られた人々と限られた場所で冒険を続ける生活も、決して良いものではないかもしれません。子どものままではできないことがたくさんあると思います。例えば、自分で働いて稼いだお金を自由に使いたい、と思うことはありませんか。
『ピーター・パン』の子どもたちは大人になることを選び、ネバーランドからイギリスの社会へと帰っていきます。かつて海賊に憧れていた少年たちは鉄道機関士、弁護士、そして会社員としてお金を稼ぐ大人になっていきます。しかし、他の子どもたちの母親役を演じながら暮らした「地下の家」がネバーランドでのどんな冒険よりも好きだったウェンディは大人になっても彼らのように仕事をしていません。ネバーランドでお母さん役を演じた少女は、大人になってもお母さんのままなのです。彼女が大人になった先に、母親になる以外の選択肢はなかったのでしょうか。1911年頃のイギリスでは、女性が働き、稼いだお金を自由に使うことが当たり前のことではなかった、という当時の社会背景が関係しているのでしょうか。一方『約ネバ』では、大人になれない世界を抜け出した子どもたちがどのような大人になったのか、描かれてはいませんでした。果たして彼らは、例えばエマやギルダといった少女たちは、どのような大人になると思いますか。(2021.2.7岐阜新聞掲載)
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