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岐阜新聞 真学塾67 教育学部 国語専修 内田健太
一人学ぶこと-独学をめぐって
岐阜聖徳学園大学教育学部准教授 国語専修 内田健太
このコロナ禍で、一人学ぶことが多くなりました。一人学ぶ----独学には、何かしら、かっこいい響きが感じられます。独学で研鑽にいそしむ人には尊敬の念を抱きます。
しかし、独学はけわしい道だと古人は言います。「独学にして友無くんば、則ち孤陋にして寡聞なり。」(『礼記』「学記」)ただ一人学ぶだけで学友がいなければ、見識が狭く頑固になり、見聞が限られてしまうと言うのです。独学はともすれば独りよがりに陥りがちです。しかし、それを救うのが「友」です。互いに励ましあう学友がいれば、お互いを観察しあい、高めあうことで、独学の危うさを免れることができます。このように、学習者同士が互いの言行を観察しあって、他者の善いところを自分のものにし、自分の悪いところを改めてゆくことを「摩」と古人は言っています。
この互いに高めあうことに関して、古人は「教学相い長ず」とか「学うるは学ぶの半ばなり」という格言を引いて語っています。教えることで自分の理解が不十分だった点が浮き彫りになり、それを自分の新たな学びの契機にしてゆく。アウトプットとインプットとを重ねることで、互いを鏡として高めあってゆくということです。ペアやグループで教えあう現代の学習活動は、こうした古人の発想に通じるものだと言えるでしょう。
コロナ禍は学びの世界にも多くのダメージをもたらしましたが、わけても痛手だったのはこの「摩」、いわゆる「切磋琢磨」の機会が奪われたことです。ともに励ましあう学友の存在がみえなくなり、一人学ぶことを余儀なくされて、心細く思った人も少なくなかったのではないでしょうか。
近年の情報技術の進展と多くの方の努力により、学びのオンライン化が可能になりました。ネットによって見聞を広められるようにもなりました。まだまだ課題は少なくありませんが、この禍を転機として新しい学びのかたちが誕生しつつあります。「主体的・対話的で深い学び」がうたわれる現在、新たな「摩」の在り方も模索されてゆくことになるでしょう。
それでもなお、敢えて独学に挑戦したいという人もいるかもしれません。古人の言うように、決してたやすい道ではありませんが、私はその心意気を応援したいと思っています。
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