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岐阜新聞真学塾㊾ 教育学部長 社会専修 吉永和加
「自己肯定感」って何のこと?
岐阜聖徳学園大学教育学部教授(令和2年4月より教育学部長) 社会専修 吉永和加
皆さんは、「自己肯定感」という言葉を聞いたことはありますか。このところ、流行っている言葉なので、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。自己肯定感が高い、低い、というふうに用いられ、自己肯定感が高いと良い、自己肯定感が低いなら改善に努めよう、と考えられています。例えば、自分の良いところを見つける、自分に自信をもつ、自分はありのままで大切な存在だと思う、などが求められるのです。
しかし、これはあくまでも最近の考え方です。現在、「自己肯定感」と呼ばれている気持ちは、西洋で古くは「自己愛」とも呼ばれてきました。そして、それは、長らく人間の悩みの種でした。なぜかというと、「自己愛」はたやすく自己中心主義に結びつき、自分を一番だと思ったり、そのために他人を顧みなかったり、さらには、「本当に正しいこと」「本当に善いこと」を蔑ろにしたり、という事態を引き起こすからです。その考えからすれば、むしろ「自分はダメだ」と思う「自己否定」の方が、その否定をバネに、人を本当のものへと向かわせ、人を成長させ豊かにさせる、ということになります。じつは、長い思想の歴史の中では、こちらの考えの方が主流だったのです。
皆さんは、今、心と体の転換期にあって、これまでの価値観に疑問を持ったり、周囲に批判的になったりする、ある意味で、自分を否定する時期に差し掛かっていることでしょう。皆さんの中には、すでに自己否定を繰り返している、という人がいるかもしれません。あるいは、自分と他人との対立や、自分と「本当に正しいこと」「本当に善いこと」との対立に直面し、その葛藤に苦しんでいる、という人もいるかもしれません。そんな状態は、いわゆる「自己肯定感」とは相容れないものでしょう。ですが、今の自分から脱皮して、成長する貴重なチャンスであることは間違いありません。
皆さんが、自分の存在そのものがぐらつくような、自己否定と葛藤に耐えていて、それでも、そんな皆さんを奥深く支えるものを「自己肯定感」と呼ぶことができるのだとすれば、それは、これまでの意味とは少し違う「自己肯定感」となるでしょう。そして、そんな「自己肯定感」ならば、初めて「肯定」に値するものだと思われます。しかしながら、それは、厳しい自己否定と葛藤に耐えうる、獲得するのが極めて難しいものであるに違いありません。
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