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岐阜新聞 真学塾㉗ 教育学部 社会専修 髙田準一朗
『空白の天気図』と
広島地方気象台
-建物の「ものがたり」をひもとく-
岐阜聖徳学園大学 教育学部 社会専修 髙田準一郎
天気予報を発表している博物館をご存じでしょうか。広島デルタの南端部、小高い山に建つ広島市江波山気象館では、広島市域の予報を出しています。
気象館の建物はもともと広島市地方気象台で、昭和9年に建築されたものです。2棟の洋風建物は、柔らかい印象をもつドイツ表現主義を基調としたデザインに、アール・デコをあしらった意匠になっています(写真は、広島市江波山気象館全景。筆者撮影)。
この建物には、どのような「ものがたり」があったのでしょうか。
柳田邦男著『空白の天気図』の舞台となったのは、この広島地方気象台でした。『空白の天気図』では、戦後まもなく九州に上陸した台風に「経験したことのない」という言葉を使い、「薩摩半島南端の枕崎一帯は、いま数十年来経験したことのない暴風雨の真っただ中に置かれていた」と、緊迫した状況を伝えています。原爆投下後1カ月余の9月17日、広島はこの枕崎台風と名付けられた暴風雨に襲われます。
広島県下では2千人を超える死者・行方不明者を出し、九州地方全体よりも多い犠牲者を数えました。『空白の天気図』では、原爆投下による被害との因果関係はなかったのか、気象台関係者の苦闘を掘り起こし、検証していきます。現地入りした京都大学研究班が大野陸軍病院で山津波に襲われ遭難した、との悲報が届きます。そして、やっと原爆投下による被害調査を終えて、ガリ版刷りされた『気象関係の広島原子爆弾被害調査報告』は、進駐軍のMP(憲兵隊)によって没収されてしまうのです。
気象館の屋上からは、復興した広島の市街地や瀬戸内に浮かぶ宮島が一望できます。当時の出来事に思いを馳せながら気象館の建物に佇んでいると、歴史が今につながってきます。今ここにある建物が、かつての時空にいざなってくれるのです。ふだん目にする建物には、どのような「ものがたり」があったのでしょうか。「ものがたり」をひもといてみると、今につながる新たな発見にきっと驚くことがあるはずです。
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